バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ、アップル株の保有を明かす!

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ウォーレン・バフェット氏率いる世界最大の持株会社、バークシャー・ハサウェイ (BRK) は今日5月16日、2016年3月末時点でアップル株 (AAPL) を981万株保有していたことを明らかにしました。これまで同社のアップル株保有は知られておらず、「実は隠し持ってるんじゃないか?」との憶測までありましたが、今回新規に保有したことが分かりました。昨年からのAAPL下落を好機と捉えての新規保有でしょう。なお、この981万株というのは、日本円で約1,000億円に相当します。アップル株全体に対する比率は0.18%です。バークシャーのポートフォリオの0.83%を占め、16番目に位置します。

アップルは売上高の6割以上がiPhoneと偏重状態です。2016年度第2四半期(3月26日締め)の決算では、iPhoneの売上台数は昨年同時期の16%減となり、同社の売上は13年ぶりに前年を下回ってしまいました。株価とは、市場の期待にどう答えたかで決まります。その点、今回の決算で売上高は、市場予測519.7億ドルに対して506億ドル、1株当たり利益は市場予測2ドルに対して1.9ドルと、いずれも市場予測を下回りました。

そのため、決算発表のあった4月26日からアップル株は下落。決算前の1株104ドル台から、5月12日には一時90ドルを割り込むところまで続落しています。とりわけ、アップルの熱烈な支持者であった著名投資家カール・アイカーン氏が28日、保有するアップル株のすべてを手放したことを明らかにし、アップル株の下落が加速。その日だけで前日比マイナス3%となりました。

アイカーン氏は以前からアップルに対して、もっと自社株買いをするよう進言していました。株価を上げさせるだけ上げさせておいて、下がったらドロンかよ・・と思わないでもないですが。まあ、投資家は株価と配当が上がってナンボなんで、そんなもんでしょう。仕方ないです。

と思ったら、バークシャーがアップル株を買っていたとの今日(5月16日)のニュース。これでNY市場開始前の時間外取引から反発し、NY時間の10:30am現在、$93.38まで回復しています。とりあえず、アイカーンが下げた分くらいは取り戻した感じでしょうか。アップルの成長鈍化との巷の声も、これで少しは払拭されるかもしれません。

アップルのティム・クックCEOは、自動運転車(アップル・カー)やアップルTV、またiWatchのアプリ開発等を通し、iPhoneへの依存度を下げていく意向を示しています。アップルは莫大な量のお金を持っているので、方向さえ正しければ、これらの新規開発が成功する可能性は高いでしょう。

そもそも、アップルの財務状況は超堅牢です。営業キャッシュフローは毎年連続的に増加しています。

AAPL-OP-CF

売上高に占める割合、すなわち営業キャッシュフロー・マージンは、15%以上が健全なラインと言われます。アップルの営業キャッシュフロー・マージンは35%と、超々優良企業ぶりを魅せつけてくれます。

一株当たりの純利益もきっちり増加しています。

AAPL-EPS

バフェット氏がウォールストリートジャーナルに語ったところによれば、実はこのアップル株への投資は、彼自身によるものではないそうです。資産運用マネージャーのTed Weschler氏とTodd Combs氏の裁量によるもので、バフェットは関与してないとのこと。もしそうだとすると、世代交代を徐々に進めているということでもあり、面白いところです。

同社は VISA (V) や IBM (IBM) の持ち株も増やしました。IBMは以前からバフェット氏自身の意向によるものですね。一方、以前から減らしつつあった AT&T (T) は完全に手放し、ウォルマート (WMT) も減らしました。また、特に目を引いた変化は、プロクター&ギャンブル (PG) です。2015年末のバークシャーのポートフォリオでPGは7番目に位置し、3.2%を占めていました。が、今回そのほとんどを売却し、0.02%まで下げてしまいました。

P&Gと言えば長期保有バリュー株の鉄板。バフェット銘柄でもあるということで、安心して保有している人も多いのではないでしょうか。高配当で連続60年も増配し続けており、その優位性は今も変わりません。ただ、株価の上昇率はここ10年ゆるやかに鈍化してきています。常に高いリターンを出し続けなくてはならないバークシャーにとっては、重荷になってしまったのかもしれませんね。

こちらが2016年3月末のバークシャーのポートフォリオです。

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首位だったウェルズ・ファーゴ (WFC) が2位になり、僅差ながらクラフト・ハインツ (KHC) がトップに躍り出ました。保有株数の変化はないようですので、WFCの株価下落が原因でしょう。5月に入ってからKHCの株価が急進していますので、現在はさらに差が開いているものと思われます。

      2016/05/21

 - 米国株