投資家にも迫り来る消費増税の波、ひとまず回避か

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今日5月30日、安倍首相は消費税率10%への増税を2019年10月へと、2年半先送りする決断をしました。与党は自民、公明ともに受け入れる方針です。

投資信託や株式のリターンは、値上がり益にせよ配当にせよ、消費税の対象ではありません。が、購入手数料や信託報酬などの、証券会社に支払う手数料は、消費税の対象になります。私たち投資家にとって、消費増税はどのくらいの影響があるのでしょうか。

投資信託の場合

投資信託の場合にかかる手数料は次の3種類があります。

  • 購入するときにかかる「購入手数料」
  • ファンドを保持している間かかる「信託報酬」
  • 解約時にかかる「信託財産留保額」

それぞれについて、「SMTグローバル株式インデックス・オープン」の目論見書を引き合いにし、調べてみましょう。

購入手数料

購入時にかかる手数料です。購入額の何%という形で決められています。消費税がかかります。

SMTグローバル株式インデックス・オープンの目論見書には、「2.16%(税抜2.0%)を上限として販売会社が定める率を乗じて得た額」と書かれています。消費税が10%になると、この率は2.20%です。ただしこれは上限であり、楽天証券など多くのネット証券では、このファンドの購入手数料は無料(ノーロード)です。パパは投資信託については、基本的にノーロードの商品しか購入しません。

信託報酬

ファンドを保有している間、毎日かかる手数料です。通常は年率何%という形で提示されます。それを日割りで毎日差し引くファンドもありますし、半年に一度および解約時に、まとめて差し引くファンドもあります。SMTグローバル株式インデックス・オープンの場合、純資産総額に対して年率0.54%(税抜0.5%)がかかります。消費税が10%になると、この率は0.55%です。

なお、日々かかるコストには、この信託報酬のほかに、「その他の費用・手数料」というのがあります。これは少額ですが、運用状況等により変動するなどの理由により、事前に提示することができません。SMTグローバル株式インデックス・オープンの場合は、「ファンドが負担します」と書かれているので、実質は信託報酬に含まれているものと考えられます。ファンドによっては、信託報酬とは別に取られることもあるので、目論見書をよく読んでおいて下さい。直近の料率は、運用報告書で確認することができます。

信託財産留保額

もし大口顧客が大量に解約を申し込むと、証券会社はその分だけ大急ぎで株式や債券を売り、現金を確保しなくてはなりません。ファンドの安定運用にも差し支えます。そこで、解約のペナルティとして、他の投資家のために残していくことを定められているのが、この信託財産留保額です。SMTグローバル株式インデックス・オープンの場合は、解約額の0.05%と定められています。これは消費するものではなく、ファンドに残していくものなので、消費税はかかりません。

消費税がもっと増えたらどうよ

最近の流行でノーロードに限定することにすれば、消費税が影響するのは、日々かかる信託報酬のみということになります。SMTグローバル株式インデックス・オープンの場合は、現在0.54%であるものが、0.55%になります。

ですが、超高齢化社会を迎えて日本の財政は急速に悪化しています。今回は経済動向をみて増税を先送りにしましたが、いずれは、経済状況に関係なく、増税せざるを得ない時が来るかもしれません。もし消費税だけで不足分を賄おうとすると、最低でも20〜25%の消費税率になると言われています。

すると、税率25%の場合では、SMTグローバル株式インデックス・オープンの信託報酬は、0.625%になる訳です。消費増税のリスクを考えても、手数料のできるだけ安いファンドを選ぶ必要のあることが分かります。

信託報酬に対する消費税の効果: SMTグローバル株式インデックス・オープンの場合
消費税なし 消費税8% 消費税10% 消費税25%
信託報酬 0.5% 0.54% 0.55% 0.625%
100万円を投資し、
年率リターン5%で30年運用した場合に、
信託報酬ゼロの場合からの差額
-57.7万円 -61.9万円 -63.0万円 -70.9万円

米国株の場合

米国の個別株へ投資するときにかかる手数料は次のとおりです。

  • 為替手数料
  • 購入手数料
  • 売却手数料

これもまた、それぞれ見ていきましょう。

為替手数料

米国株の場合は、まず日本円を米ドルに交換しなくてはなりません。例えばパパの愛用しているマネックス証券の場合、1ドルあたり0.25円の手数料がかかります。これは、「日本円→米ドル」の換金時と、「米ドル→日本円」の換金時の、それぞれにかかりますから、往復で1ドルあたり0.5円かかるということです。これはFXに比べるとかなり高いですが、空港での換金に比べると安いです。

注意しなくてはならないのは、この為替手数料が「手数料」と明記されてない場合が多いことです。その場合、「日本円→米ドル」の換金レートと、「米ドル→日本円」の換金レートが、別々に設定されていることに注意して下さい。例えばマネックス証券における本日5月30日のレートは、「日本円→米ドル」が111.40円/米ドル、「米ドル→日本円」が110.90円/米ドル、です。その差額である0.50円/米ドル、が実質的に手数料として取られているのです。

FXに慣れている方なら、売値と買値の差がいわゆる「スプレッド」と呼ばれる手数料であることはご存知でしょう。ところが、米国株投資における「スプレッド」は、なぜか片道分だけを手数料として明示しています。マネックス証券の場合は、為替手数料(スプレッド)は1米ドルあたり25銭と明記されています。往復だと倍の50銭かかるので要注意です。パパはFXと同様に往復の手数料表記なんだと勘違いし、取引して始めて「片道25銭」と気付きました。がびーん。

さて、為替手数料には消費税はかかりませんので、増税によって高くなることはありません。

購入手数料

マネックス証券の場合は、購入額の0.45%が購入手数料になります。ただし、1回の取引につき下限は5ドル、上限は20ドルです。つまり、購入額の0.45%が5ドル以下の場合は、手数料が5ドルになります。また、購入額の0.45%が20ドルを超えた場合は、手数料が20ドルになります。

購入手数料には消費税がかかります。ですので、税込み手数料は、購入額の0.485%、下限は5.40ドル、上限は21.6ドルです。消費税率10%に増税すると、税込み手数料は、購入額の0.495%、下限は5.50ドル、上限は22ドルです。さらに将来もし消費税率が25%になると、税込み手数料は、購入額の0.5625%、下限は6.25ドル、上限は25ドルです。

解約手数料

マネックス証券の場合、解約手数料は購入手数料と同額です。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。投資において手数料に気を配るべしとは良く言われることです。もし、現在の手数料が満足できるものであったとしても、将来の消費増税の後にも満足できる額であるかは分かりません。最近は手数料の低い投信やETFを購入しやすくなっていますが、決して微々たるものと馬鹿にせず、コストダウンに努めて参りましょう。

   

 - 投資信託, 米国株