タバコを吸わないパパがタバコ株 (MO) を買うという発想


6月17日にアルトリア・グループ株 (MO) を新規購入しました。

アルトリア・グループは、マルボロなどの銘柄で有名な、米国最大のタバコ産業グループです。ですが、パパはタバコを吸いません。タバコを吸わないのにタバコ株を買うって変ですか?

愛用品であることは銘柄選択の一助になるか

たしかに、米国株をおすすめする本やサイトでは、よく「自分の愛用している物やサービスを提供している会社を買うと良い」などと書かれています。米国株に興味を持ってもらう最初の取っ掛かりとしては、それも良いかもしれません。ですが、そのような銘柄選びでは、必ずしも高いリターンを得ることが期待できません。少なくとも、長期投資には向いていないでしょう。

というのも、こうした「すぐに思い浮かぶ愛用品」というのは、往々にして急成長株(グロース株)だったりするのです。さしずめ、スタバで(パパのように)ドヤ顔でマック叩いてフェイスブックにカキコしてるあなたなら(失礼!)、スターバックス (SBUX)、アップル (AAPL)、フェイスブック (FB) をポートフォリオの主軸に据えることでしょう。子供の笑顔を思い浮かべてディズニー株 (DIS) を買うかもしれないし、誕生日プレゼントをネット購入した時にふと思い立ち、アマゾン株 (AMZN) も買うことでしょう。決済はどうしましたか?そうです、ビザ (V) です。他にもないかなとググッてみてから、おっと忘れてたぜと、アルファベット株 (GOOGL) も買うべきでしょう。

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パパも米国株を始めた当初は、これに良く似たポートフォリオを組んでいました。実際、これらのうちGOOGL以外は一時保有しました。でも、勉強を重ねる中で、V以外はただちに売却したのです。Vも追加購入はしておらず、いわば放置プレイ状態です。本当は先にしっかり勉強してから購入するべきです(反省 - -;)。ちなみに、パパのパパ(つまり私の父)は主に日本株に投資していますが、買おうと思う銘柄があったら、必ずそこから1年待つそうです。1年たってやはり魅力と考えられるなら、ようやく買うという方針を貫いているとのこと。ま、米国株の場合は、特にマネックス証券でなら、安い手数料で1株ずつでも購入できるので、まずはつまみ食い(いわゆる打診買い)をしてみてから、真剣に勉強するというのもアリでしょう。

話を戻しますね。先ほどの銘柄はいずれも、成長株としてはとても優れています。しかし、こうした目立つ銘柄だけで構成したポートフォリオは、年金代わりの長期投資には向かないでしょう。長期投資に向いた割安株(バリュー株)は、もっと目立たない地味な銘柄ばかりです。こうした銘柄は、しばしば高配当銘柄であったりもします。高い配当を出し続けていることは、着実な利益を上げている証であり、今後とも利益を上げ続けられる自信の現れでもあります。

私もS&P500構成銘柄を対象に調査を行い、(中略)トータルリターンを計算してみた。(中略)配当利回りが高いグループほど、配当利回りの低いグループよりも、確実に高いトータルリターンを投資家に提供しているのだ。

ジェレミー・シーゲル「株式投資」第4版より

あらかじめこうした知識を持ちあわせていなければ、いったい誰が、コカ・コーラ (KO) やプロクター・アンド・ギャンブル (PG)、マクドナルド (MCD) やジョンソン・アンド・ジョンソン (JNJ) に目を向けるでしょうか?あまりに身近になりすぎてしまって、もはや魅力を感じていないのです。そんな銘柄こそが、長期投資家にとっては魅力なのです。

つまり、自分の愛用品をポートフォリオに組み入れる必要はまったく無いし、自分の好きでないものをポートフォリオに入れたって、もちろん構わないのです。だから、タバコを吸わないパパがタバコ株を買ったって、何ら不自然ではありません。

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あえてタバコ株を選好するもう1つの理由

とはいえ、あえて「嫌いな」ものを入れることもありません。銘柄選びは他人に強いられるものではないのです。軍縮を願うからロッキード・マーチン株 (LMT) は買わない、という判断は間違ってないし、逆に現時点では平和維持のために安全保障が必要だと考えて、積極的に LMT を買うことも、間違ってないと思います。

では、なぜパパはあえてタバコ株を選好するのでしょうか?その理由はこうです。

先に断っておきますが、パパの身の回りの愛煙家の方々は、皆さんマナーに気を配る方ばかりなので、気になったということはありません。ですが、ひとたび町を歩けば、喫煙所でもないのに歩きタバコをする人たち(特に、歩きタバコ条例などない地方都市では、ホント当たり前のように)。ファミリーレストランを標榜しながら、実質的にはまるで分煙されてないレストラン(低いパーティションを煙が乗り越えて来るんです、ガ◯トとか)。公共の待合所なのに、堂々と設置された灰皿(子供連れはどこへ行けば・・?)。

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パパ一人だったら気にしないんですが、子供と一緒のときはホント困るんです。日本は欧米と比べても、分煙の仕組みがあまりに遅れています。分煙さえしっかりしてれば、喫煙者も非喫煙者も、いやな思いをしなくて済むのに。

東京オリンピックを機に、欧米並みの分煙が進むことを期待します。でも地方までは波及しないかもしれませんね。そこで、とりあえず当面の間、タバコ代の中からいくばくかの額を我が家に還元していただこう、という作戦です。つまり、配当という形で、非喫煙者に還元してもらっても良いのではないかと。この考えに至ってようやく、タバコを吸わないパパがタバコ株を買うってのもアリだな、って自分で納得できたのでした。

アルトリア・グループ (MO) は連続増配の優等銘柄

内容をちょっとだけ見てみましょう。アルトリア・グループ (MO) は45年間の連続増配。過去10年の増配率は年率平均11.6%です。配当率は約3.5%で、配当再投資のトータル・リターンは、過去10年の複利平均で年率約20%となっています。配当性向は約80%と高めです。

トータル・リターンのグラフを作ってみました。

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2008年3月にアルトリア・グループ (MO) からスピンオフされた、フィリップ・モリス・インターナショナル (PM) とも比較しています。スピンオフのとき、株主には、持ち株1株につき、MO株1株とPM株1株を付与されました。PMの当初株価は50ドルでしたので、MOの額面株価は50ドル下がりました。このグラフでは、その50ドル分を補正しているので、連続したグラフになっています。グラフでは、スピンオフの時点でMO=PMとなるように調整しています。

アルトリア・グループ (MO)フィリップ・モリス・インターナショナル (PM) のトータル・リターンは、2013年中頃までは同じくらいでしたが、以後はPMが伸び悩んでいます。MOが米国内での販売を担当するのに対し、PMは米国外での販売を行っているため、ドル高の影響を受けたのです。例によって日本円に換算してみると、円換算のPMは2013年の折れ曲がりがなくなって、より直線的な伸びになります。円換算したMOを見てみると、2008年から2012年にかけて、円高のためにリターンが米ドル計算のMOを下回ってしまいますが、もともとトータル・リターンが年平均20%と大きいので、この期間もしっかり増加傾向にあります。ご参考まで。

      2016/06/23

 - 米国株