NYダウ平均の今後の長期的見通しを語る(1)


こんにちは。いなぐらパパです。

米国株への長期投資とは、市場が長期的には右肩上がりであることを前提にしています。これは、例えば過去100年のNYダウ平均のチャートを見て、ほら右肩上がりでしょ?というのを根拠にしているワケです。ところが、なぜ右肩上がりになっているのか、という根本のところが語られることは、あまりありません。

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こちらがそのNYダウ平均株価のチャートですね。縦軸の株価は対数表示になっていることに注意してください。このグラフで傾きが一定になるチャートは、年率リターンが一定であることを示します。NYダウ平均ですので、分配再投資は考慮されていません。

131年チャートから気づくこと

これを見ると、いくつか奇異な点に気づきます。

  • まず、1950年頃までは、世界大恐慌(1929年)の前後を除けば、ほぼ一定の増加率を示しているのに、その後は急に伸び率がアップしていること。
  • 次に、1965年頃から1985年頃までは、1,000ドル手前で横這いになっていること。
  • そして、1985年頃から再び急な伸びを示すも、2000年ころから再びボックス圏にいることです。

何が起こったのか

株式市場の急変は、複数の要因が重なり合って起きることが多いようです。すなわち、

  • 地政学的な要因(戦争や共産圏の崩壊など)
  • 生産性の革命(電気、自動車、半導体など)
  • 通貨制度の変更による需要の創造

という3つの条件が揃ったときに、株価の長期上昇が起こるのだそうです。中でも3番目の通貨制度は特に重要です。このような観点から、先程のNYダウ平均チャートを、もう一度見てみましょう。

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青い直線は、1950年頃までの上昇率を示します。興味深いことに、世界大恐慌からわずか6年で、NYダウは青い直線上に回帰しています。

ドルを基軸とする固定相場の時代

問題なのはその後です。第二次世界大戦で疲弊した世界経済を安定化するべく、1944年に米国主導で、ブレトン・ウッズ協定が結ばれました。これに基づき、国際通貨基金(IMF)等が設立されました。そして、金1オンス = 35USドルと定め、USドルを基軸通貨として、各国通貨との比率(固定相場)が定められたのです。

これにより、世界中の国々は、貿易のためにドルという、外国通貨を使わなくてはならなくなりました。唯一の例外は米国です。自国通貨で貿易できるのは、まさに特権中の特権です。なぜなら、ドル札をじゃんじゃん印刷するだけで、いくらでも世界中の物資を買い集められるのですから。

米国は無尽蔵にドル札を印刷できるようになり、こうして自国経済を躍進させた。その勢いは、過去60年以上続いてきた安定的な成長率を、大幅に超えた。

お金がお「金」でなくなる時代

当然のことながら、世界を駆け巡る米ドル通貨の量は、1965年に金備蓄量を超えてしまいました。これに呼応するかのように、NYダウは1,000ドルを目前にして、停滞し始めます。もはや米ドルは、紙くずになりかけている状態です。その為替レートは、実際の競争力をはるかに上回っていました。

こうした不均衡のために不況に陥っていたドイツとフランスは、アメリカに金交換を要求します。いずれ金交換に応じられなくなることを悟ったニクソン大統領は、1971年8月15日に突然、ドルの金兌換停止を宣言します。世界各国はもとより、米議会にすら諮らず、独断で宣言したのです。世界の金融ルールを一瞬で変更した、まさに暴挙でした。

こうして再びアメリカは、金備蓄量とは関係なく、さらにドル札を印刷し続けたのです。「お金」がお「金」ではなくなった瞬間です。ブレトン・ウッズ体制は終焉し、1976年にIMFの会議で、変動相場制が正式に承認されました。NYダウは10,000円を目指して上昇することになります。

米国は再び、無尽蔵にドル札を印刷できるようになり、NYダウは躍進した。その勢いは、戦前の安定的な成長率はもとより、50〜60年代の勢いをも超えた。

要するに、ブレトン・ウッズ体制にせよ、その終焉にせよ、米国が無尽蔵にドル札を印刷するためのものだったのです。もし、このような暴挙がなければ、NYダウ平均株価は、グラフの青線に追従したはずです。現在のNYダウは青線の17倍です。では、今後はどうなるのでしょう?

※この記事の執筆にあたり、ロバート・キヨサキ氏『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」』を参考にしました。たいへん興味深い1冊です。良かったらぜひお読み下さい。
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次回に続きます。

      2016/09/28

 - 米国株