NYダウ平均の今後の長期的見通しを語る(2)


こんにちは。いなぐらパパです。

前回は、次のようなグラフを元に、米国株がどのように戦後の大躍進を遂げたのかを説明しました。

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つまり、1944年からのブレトン・ウッズ体制下で、ドルが基軸通貨である強みを活かし、ドル札をどんどん刷って貿易力を強化したこと。これは、金本位制の下でありながら、通貨量が金保有量を超えてしまう、やり過ぎた状態となりました。そのため、ブレトン・ウッズ協定直後は、NYダウ平均がこれまで無かったような伸び率を示すものの、1,000ドルを前にして停滞します。

そしてつに、独仏はじめ各国からの金交換に応じられる見込みがなくなり、1971年にニクソン大統領は金兌換を停止(ニクソン・ショック)。世界は変動相場制に移行します。IMFが変動相場を正式に認めるまで5年かかっていますが、その後ふたたびNYダウはうなぎ上りとなります。金本位制のタガが外れた米国が、ふたたび無尽蔵にドル札を印刷しまくったからです。

2000年以降の低迷期

紙幣を刷りつづけることで維持してきた経済成長は、必ず無理が祟ります。2001年のITバブル崩壊や、2007年のサブプライム住宅ローン破綻から2008年のリーマン・ショックへと続く危機を通じ、NYダウは10,000円前後のところで調整局面を迎えました。

ITバブルとは、新規IT企業が借金しまくったバブルであり、サブプライム住宅ローンとは、返すあてのない人たちが住宅ローンを借りまくった結果の破綻です。米ドルは1971年以降、金を裏付けとするのではなく、借金を裏付けとする通貨になったのです。

でも、今はもうリーマン・ショックから回復し、米国の株価は好調だから問題ない、でしょうか?

とんでもない!

リーマン・ショックから無理やりに経済を回復させるため、米国はまたもや印刷機をぐるぐる回したのです。

米国は1913年から2007年まで84年かけて、流通通貨量を8,250億ドルにまで増やしました。ところが、サブプライム問題の起きた2007年直後の流通通貨量は、何と1兆7,000億ドル。たった1年で倍にしてしまったのです。

本来ならサブプライム問題は、戦後60年かけてドル札を刷り続けた無理を調整する、絶好の機会だったのかもしれません。しかしながら、米国はまたもやお札を印刷することで、さらなる無理を蓄積してしまいました。リーマン・ショックを引き起こした本質的原因は、何も解決していなというのが、実態なのです。

では、今後はどうなるのでしょう?4つのシナリオを考えてみました。

今後の見通し1(お花畑シナリオ)

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いいですね。脳ミソにお花畑が咲いてるとしか思えません。長期投資家としては、夢のようなシナリオです。

つまり、1985〜2000年の好景気と、同じ傾きで急上昇するという夢です。折しも、リーマン・ショック後の傾きは、ほぼこれに沿っています。ちなみにこの場合、2028年頃にNYダウ平均は10万ドルに達します。

でも、さすがにこんな都合の良いシナリオを信じる人も、いないと思いますが。

ただ、今後もうしばらくの調整期が続いた後に、再びこういう上昇が来ることを夢見る人は多いかもしれません。実際、1985〜2000年の上昇期の前も、20年ほど低迷していました。もしそうだとすると今回も、もう1〜2度ほどバブルと暴落を繰り返した後に、こういう急成長に恵まれるのかもしれません。

ただし、そのようなシナリオが成立するには、条件があります。それは、過去の急上昇期を引き起こしたのと同じように、通貨の世界的ルールが、がらりと変わってしまうことです。

どのようなルール変更が起こるのか、事前の予想は難しいでしょう。もしかすると、ビットコインのような仮想通貨が、紙の通貨に取って代わるのかもしれません。情報が最大の価値を持つ時代ですから、それはあり得ますね。ただ、ビットコインではなく、より優れた仮想通貨が現れると思います。

今後の見通し2(楽観シナリオ)

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青線、つまりブレトン・ウッズ体制前の傾きこそが、本来の自然な経済活動の帰結であるとする考え方です。

それでも、戦後にドル札を印刷しまくったツケは残っているはずなのですが、それは何事もなかったかのようにスルーされます。今後はもう、無茶な増刷は限界を迎え、戦前と同程度の年率3%ほどで推移することでしょう。これでも十分に楽観的なシナリオだと、パパは思います。

仮に仮想通貨が台頭した場合、国家が発行高を増やすような権限を失うため、シナリオ1よりも、こちらのほうが現実性が高いように思います。ただ、グラフの縦軸を仮想通貨に置き換えなくてはなりませんが。

つづく

      2016/10/01

 - 米国株