新興国投資って美味しいの?(後編)

前回の続きです。
前編では新興国投資をdisってしまいました。ですが、新興国が美味しいと思って投資するのではなく、単に分散投資のためと考えるなら、利点があります。
次の表をご覧ください。10年刻みでどの地域の株式リターンが高かったかを表します。◎が1番、○が2番、△が3番です。元データはジェレミー・シーゲル「株式投資」第4版です。具体的数値はそちらをお読みください。
国(地域) | 1970-2006 | 1970-1979 | 1980-1989 | 1990-1999 | 2000-2006 |
米国 | △ | △ | △ | ◎ | △ |
欧州 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
日本 | ○ | ◎ | ◎ | △ | ○ |
一番のリターンを誇っているのは、特定の地域でななく、常に移り変わることが分かりますね。2006年時点のデータなので直近の10年がありませんが、2006年以降はおそらく米国がトップでしょう。新興国のデータがありませんが、将来的には新興国も含めて、高リターン地域は常に移り変わるだろうと予想できます。長期的には世界に分散して投資したほうがリスクを低減できるワケです。
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では、どのような比率で分散したら良いかというと、いわゆる資産○分割法はお勧めできません。新興国市場はまだ規模が小さいので、他と同じ比率で投資したら、新興国の比較的少ない銘柄の変動から影響を受け、リスクが高くなってしまうんです。時価総額の比率で分散するのが最適です。
ただし、これは株式投信(ETF含む)の話です。債券については、外国債の比率を抑えておくべきです。期待利回りと比べて為替リスクが大きいからです。特に新興国は通貨下落のリスクが大きく、債券投資はまったくお勧めできません。しばしば驚くような利回りの債券が売り出されますが、そういう国は、通貨も驚くほど下落するリスクがあるので、騙されないように。
ところで、いなぐらパパは現在、米国個別株に軸足を移しつつあります。世界分散の株式ETFも持っていますが、こちらは追加投資せず、放置プレイを決め込んでいます。個別株に着目すると、アメリカには長期投資に最適な、高配当の超大型株があるからです。
さらに、こうした企業の多くは、世界市場でビジネスをやってるので、世界経済に分散投資していることにもなるのです。コカ・コーラは世界中で飲まれているし、マルボロも世界中で吸われているし、世界中の男たちがジレット(P&G)でヒゲを剃っているのですからね。
まとめ |
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2016/07/08