【自戒】じゃんけん理論を肝に命じる


こんにちは、いなぐらパパです。

昨日は3連休の中日。大型書店に足を運び、投資本のコーナーを覗いてみました。

米国株の本があるかな?と思ったのですが、ぜんぜん無し(笑)。活況なのは不動産投資、日本株投資、FXの本です。他に投資信託の本が少し、といったところ。米国株はまだまだマイナーな投資分野なのでしょうね。

気になるのは、日本株で○年で○○億円に増やした話とか、FXで○○億円もうけた話などです。面白いことに、どの本も勝ち方戦略に大きな違いがあって、共通の勝ち方があまり見当たらないのです。ということは、要するに「じゃんけん理論」なんです。

じゃんけん理論というのは、勝間和代さんがご著書「お金は銀行に預けるな」で紹介されている理論です。今、100人を集めてじゃんけんのトーナメント大会をやるとします。1人500円を持参しており、勝者は敗者のお金をもらいます。優勝者は5万円を集めることになります。つまり、資金を100倍にできたのです。

すると、この優勝者が「じゃんけんで資産100倍必勝法」という本を出版します。「グーの後にはチョキを出すと良い」とか「パーはあえて3度続けて出せ」といったテクニックを散りばめるのです。ところが、これらのテクニックには理論的な裏付けがありません。

じゃんけんは純粋に確率の勝負です。もちろん、相手の表情を読んだり、心理戦による効果もあるでしょう。ですが、じゃんけんを何度も繰り返すと、その勝率は限りなく50%に近づくはずです。優勝者は、たまたま勝ったに過ぎないのに、自分の方法を必勝法として自慢するのはおかしな話です。その人がもう一度、別の100人を集めて勝負したら、おそらく優勝はできないでしょう。これが、じゃんけん理論です。

日本株の短期投資やFXは、じゃんけんほど確率だけのものではなく、確かに勝つテクニックはあるようです。ですが、似たような手法を取って大敗し、散っていった投資家・投機家の話は表に出ません。そのテクニックは果たして多くの人を成功させてきた理論なのか。それとも著者だけに特有の勝ち方なのか。真似する前にしっかり見極める必要があるでしょう。

その点、投資信託や米国株で資産形成する方法は、複数の本を読んでみたら、おおむね共通点が見えてきます。共通する方法は意味がありますから、自分の手法に取り入れる価値があります。不動産投資にも、戸建て、アパート、マンション、区分マンションなど、さまざまなジャンルがありますが、やはり共通した基本というのはあります。

著者が成功しているから、というだけの理由ではなく、普遍性があるかどうか、自分に当てはめられるやり方なのか。歯の浮くようなセリフを散りばめた本を読んで、浮ついた気持ちになったときは、一晩置いて冷却してから、もう一度よく見極めるのが良いかもしれません。

お金は銀行に預けるな [ 勝間和代 ]
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      2016/07/18

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