家賃下げ交渉に成功して本当に喜べるだろうか?


こんにちは。いなぐらパパです。

大家をやっていると、ときどき賃下げ交渉をされることがあります。

それは、新規募集中の場合に「これくらい下げてくれたら検討したい」という場合もありますし、現入居者さんからの交渉の場合もあります。

状況を見て、やむを得ず交渉に応じることもあります。

そこまでの指値は勘弁して欲しいと思い、半分戻した家賃を提示することもあります。

いずれにしても、大家として正直、必ずしも「嬉しい」ものではありません。

まあ、仕方ないかなと妥協できるのは、次の2パターンかなぁ。

学生さんの場合

大家としても、学生さんを支援する社会貢献ができたと思えますから。

直近の例でいうと、共益費込みで32,000円の1DK(洋室)に、今春入学の学生さんから2,000円の指値が入りました。

私は学生時代に家賃の指値なんて、びびって出来なかったので、「今どきの学生さんスゲー」と思いました。

そして、入居者さんが学生ということもあり、できるだけ支援したい気持ちはあったのですが、残念ながらこの物件は、けっこうぎりぎりの運営。

もう一つの理由として、2,000円下げるとちょうど、同物件の1DK(和室)と同じ家賃になってしまうんです。

和室の家賃で洋室はさすがに無いな、と思いましたので、1,000円下げに戻させていただきました。

逃げられるかな・・とビビリましたが、入居していただけました。ありがとうございますm(_ _)m

ちなみに、交渉を丸呑みするのを躊躇した理由は、もう一つには、この学生さんが短大生と聞いていたからです。

家賃下げる上に、2年で退去確定、さらにゼロキャンペーン(初期費用をまるまる大家が負担する)ですから、大家にとってはメッタ刺しなんですよ。

なので、多少なりとも反発することにしました。

ところが、正式に入居申し込み(のコピーが管理会社からメールで)送られてきたら、4大生でした。

管理会社の大ボケが、たまには役に立つものですね・・(もうホント管理会社って、こんなんばっか)。

生活保護者の場合

生活保護の方の場合、自治体の定める家賃補助の上限が、そのままイコール家賃になります。

私の自宅徒歩圏マンションの場合、通常の家賃が、生活保護者への家賃補助額より若干高いです。

なので、生活保護の方に入居いただく場合は、自動的に少し値下げする事になります。

もちろん、断ることもできますが、生活保護の方は長く住んでいただける事が多いので、長期入居のメリットがあるなら良いと考え、受け入れています。

また、ゼロキャンペーンで募集していても、「初期費用をちゃんと負担してくれるなら、賃下げしてもいいですよ」と応じる事もあります。

もちろん、その初期費用は市が払ってくれるのですが・・。

このように、何かメリットが無いとですね。

いなぐらパパの場合

さて、私が言いたいのは、ここからです。

私は今は持ち家ですが、賃貸マンション暮らしのとき、けっこう引っ越しが多かったんです。

そんな中、独身から結婚して最初の息子が産まれ、次男が生まれるまでの間、7年間も住まわせていただいた、2DKのマンションがありました。

私はこのマンションに住んでいる間、一度も家賃交渉はしませんでした。

まあ、交渉したかったとしても、ビビリで出来なかったでしょうけど。

それよりむしろ、近所に住む大家さんと顔見知りになり、しかも、特に賃下げしないとならないような経済状況でもなかったので、賃下げとか思ったこともありません。

でも隣室とか、自分の部屋よりだいぶ安く募集していたことには気づいていました。

7年もたてばそりゃ、家賃も相応に下落しますからね。

でも、気づいていても、賃下げ交渉するつもりは、全くありませんでした。

ですが、7年目に妻が2人目を身ごもり、もう少し広くて地面に近い部屋に引っ越さざるを得なくなったのです。

気に入った部屋だったのですが、やむなく近所の別のアパートに引っ越しました。

その時の管理会社さんからの言葉が忘れられません。

「大家さんが、長く住んでくれて感謝しているので、修繕費は最小限で、とのことでしたよ。ですので、敷金もこれだけ返金できますので。」

正直、驚きました。これだけ長く住んだら、敷金は返ってこないどころか、追加請求があって当然と思ってたので。

(まあ、ウザい国交省のガイドラインによれば、7年も住めば、あらゆる設備が減価償却済み扱いなので、退去者にほぼほぼ請求できないんですが、当時はそんなの守る大家は居なかったです。ましてや東京ルールのうるさい都心ではなく、地方都市なんで。)

この事例を見て思うに、「交渉してみて下がれば儲けもの」とばかりに賃下げ交渉して、もし成功したとしても、最終的に本当に得かどうかですね。

大家=金持ち、と勘違いしてる人も巷には多いですが、実際はひぃひぃ言いながら経営してる大家も多いんです。

そんな中、賃下げ交渉に対して「退去されるよりは・・」と応じる大家も居るでしょう。

でも、腹の底では「くそー、この苦しい時に・・退去時はぜったいガッツリ取り返してやる!」って思ってるかもしれませんよ。

そう思われないためには、交渉の仕方を間違えないようにした方が良いですね。

「今こういう事情で、本当に苦しいんで、すみませんが・・」

と、現状を理解していただくとか、あるいは、

「しばらく転勤も無い予定で、4年はここに住みたいので、その分、負けてもらえませんか」

みたいに、大家のメリットを提案するとかですね。

大家も人ですから。

・・以上、大家が見るブログに書いてもなー、という今日の記事でした。

最後までお読み下さり、ありがとうございます!

      2020/04/06

 - お金の話, 不動産