【NVO】ノボ・ノルディスクが増益見通しの悪化で12.9%の急落!
こんにちは。いなぐらパパです。
5月26日に、マネックス証券にノボ・ノルディスク(NVO)の取り扱いを依頼しましたが、今のところまだ、登録されていません。もうすぐ5ヶ月が経ちます。ADR(米国預託証券)なので時間がかかるようです。
2016年Q3決算の発表
そんな中、10月28日に2016年Q3の決算発表がありました。
ノボ・ノルディスク(NVO)は2016年および2017年の増益見通しを引き下げました。
2016年の増益率を従来の5〜8%から5〜7%へ下方修正、2017年の増益率を従来の10%から5%へと下方修正しました。
これを受けて、株価はマイナス12.9%と急落しました。NVOはデンマークで上場しており、通貨はデンマーク・クローネですが、分かりやすく米ドルでのADR(米国預託証券)株価で表示します↓
7月末のQ2決算発表後も、50ドルまで急落していました。その後、2014年の低迷ラインである45ドルに落ち着くかと思われましたが、そのあたりを微妙に試した後、40ドル付近まで下落していたのです。
その頃、一部のアナリストからは「NVOは無借金経営であり、財務は健全。糖尿病治療薬は数少ない成長市場であり、投資家はNVOを過小評価している。NVOは買いだ。」との声も聞かれました。
ところが今回、長期的見通しが下方修正されたことで、株価は2013年頃の低迷ラインである35ドル台まで一気に下げました。
NVOは売上の8割以上を糖尿病治療薬から得ており、その半分以上が北米からです。米国での競争が激化して価格が下がったのが、増益率減少の理由ということです。
この事例から、いくつかの事を学ばなくてはなりません。
株価は企業の利益ではなく、投資家の期待によって作られる
NVOは利益を伸ばし続けており、それがそのまま株価に反映されるなら、株価が下落する理由はありません。ただ、その増益の割合がちょっと鈍ったよ、と言ってるだけなのですから。
しかし、株価はその企業の利益によって形成されるのではありません。投資家の期待によって作られるのです。過去20年にわたり、平均年率20%以上のリターンをたたき出してきたNVOに対して、株主は「もっと」を期待します。自社株買いを以ってしても、その高すぎる期待に答えられなくなったとき・・それが今年やってきたということなのでしょう。
市場の拡大はリターンの向上を約束しない
ある市場の拡大・縮小と、そこに属する銘柄の平均的なリターンとの間には、ほとんど相関がないことが分かっています。むしろ、逆の効果を生むことも多いのです。
NVOは確かに、糖尿病治療薬の分野では世界ナンバーワンです。とはいえ、シェアは27%ほどであり、独占的な地位を築いている訳ではありません。製薬は参入が簡単ではないとはいえ、糖尿病分野では、既に複数の製薬会社がしのぎを削っており、決してNVOのワイドモートとは言えません。
そんな中、先進国でも途上国でも糖尿病の患者が増え続け、製薬会社にとっていかにも儲かりそうな感じがするなら、当然、参入する企業が増えるでしょう。競争は価格を押し下げ、国からの価格下げ圧力とも相まって、思ったほどの利益を上げられないということにもなります。
その市場が成長しているから、というだけの理由で、リターンを期待してはならないのです。
安値買いは誰でもできるものではない
8月にNVOが45ドルまで下げたとき、投資家はNVOを過小評価しているとの、アナリストの声もありました。そのとき考えなくてはならないのは、「そこまでNVOの過小評価が、誰の目にも明らかであるなら、なぜ誰も買わないのか?」ということです。もしここで、バフェットの真似をしたつもりになって、安値買いを実行していたら、10月28日の急落で、含み損を抱えてしまったところです。
バフェットのように「誰にも気づかれずに割安に放置されている銘柄」を見つけることなど、アマチュアにそうそう出来るものではありません。誰にも気づかれずに放置されている銘柄に、なぜ、自分だけが気づいていると、自信を持てるのでしょう?ましてや、アナリストが「気づいて」記事にして公開しているなら、それは決して割安ではないということです。
どーなるパパのポートフォリオ
パパの計画ポートフォリオには、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)とともに、ヘルスケア部門として、NVOが含まれています。パパの愛するマネックス証券さんが、NVOを扱っていないことから、購入には至っていませんでした。奇しくもそのお陰で、今回の急落を避けることが出来ました。ですが、本来はこの記事のようなことを事前に、分かっておくべきでした。
こうしたことから、NVOを計画ポートフォリオから外します。替わりに別のヘルスケア銘柄を取り入れたいところですが、今のところ候補がありません。JNJ以外のどの銘柄を見ても、バンガード・ヘルスケアETF(VHT)以上のメリットを、今のところ見つけることが出来ていません。
今後も勉強を重ねたいと思います。
ではまた、ごきげんよう。
2016/10/30