RCの固定資産税はなぜ高いのか?
こんにちは。いなぐらパパです。
RC一棟物をお持ちの不動産投資家さんであれば、固定資産税の高さにうんざりする事も多いでしょう。
特に、築古なのに何でこんなに払うの?と。
RCの固定資産税が高いのには3つの理由があります。
まずそもそも新築時の評価が高い
建物の課税評価額は、まず新築の評価額(再建築評価額)を決めます。
その目安となる平米単価が、地域毎に定められています。
「○○法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」というのが、法務局ごとにあります。ご自分の地域名でググってみて下さい。
例えば神奈川県。「横浜地方法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表」です。
これによると、こうなります。
新築建物(共同住宅)の課税標準 | |
木造 | 105,000円/㎡ |
軽量鉄骨造 | 103,000円/㎡ |
鉄骨造 | 112,000円/㎡ |
鉄筋コンクリート造(RC) | 139,000円/㎡ |
RCが一番高いですね。
もっとも、建築コストの割には安めのようには思います。家賃との比較だと高いですね。
ともかく、再建築評価額が高い。だからRCの固定資産税は高いです。
減価償却がものすごく遅い
いくら新築時の評価が高くても、古くなれば原価償却してタダ同然。
と、思いたいところですが、そうなってません。
再建築評価額というのが決まると、それに80%を掛けた額が築1年の固定資産税評価額になります。
そして、年を経るごとに20%に向かって減価していきます。
このパーセントを、経年減点補正率と言います。
問題は、経年減点補正率が最低の20%に達する年数が、法定耐用年数と違うことです。
法定耐用年数 | 固定資産税評価の場合 | |
木造 | 22年 | 15, 20, 25または35年 |
軽量鉄骨造 | 19年または27年 | 20年または30年 |
鉄骨造 | 34年 | 40年 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 47年 | 60年 |
RCは法定耐用年数が47年です。簿価はこれに従って減価償却し、経費計上します。
ですが、固定資産税は60年かけて減っていくので、ゆっくりなんです。
築40年のRCだと、家賃安いわ修繕費かかるわ売っても安いわで、大変です。なのに、固定資産税はしっかり取られちゃうんです。
これが「築古RCの固定資産税が高い」と感じる原因です。
減価しても最小20%
60年経って目いっぱい固定資産税が下がっても、再建築価格の20%は残ります。建物壊すまで永久に残ります。100年経とうと200年経とうとも(原理的には)。
20%残るのは木造でも同じです。でも、RCは再建築評価が高いので、20%でも残ると負担感ハンパないという事です。
まとめ
いかがでしょうか。
RCはこうした特殊な事情から、特に築古の経営はレベル高いです。十分な余裕を持っておく必要があります。ご注意を。
では皆さん、ごきげんよう。
2019/08/06