【悲報】VTの致命的な欠陥とは


こんにちは。いなぐらパパです。

ジェレミー・シーゲル「株式投資」第4版には、ETFについて重要なことがサラリと書かれています。シーゲルはSPDR S&P 500 ETF (SPY)を例に挙げて説明しています。ある銘柄がS&P 500指数に組み込まれることが決まると、その銘柄の人気が出て株価が上がります。そして実際にS&P 500指数に組み込まれる時には、すっかり高値になってしまうのです。SPY ETFはその仕組から、この銘柄を時価総額に比例して購入しなくてはなりません。その結果、SPYの保有者は強制的に高値づかみさせられてしまうのです。

その上、熱狂から覚めた頃には、この組み込み銘柄は本来の価値まで値を下げるので、SPYの保有者全員が、少なくともこの銘柄については含み損を抱えたことになります。これが、時価総額比で銘柄組み入れを行う、多くのETFのワナなのです。

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VT (Vanguard Total World Stock ETF) の場合はどうでしょう。VTは約8千もの銘柄に分散する世界分散型の株式ETFです。ある銘柄がVTに組み入れられることは、SPYに組み入れられるほど特別なことではありません。ですので、先ほどのSPYの例のような熱狂は避けられるかもしれません。

しかし、いなぐらパパが考えるに、今度は記事「新興国投資って美味しいの?」で述べたようなワナが潜んでいます。新興国に限りませんが、ある地域でバブルが生じたとします。新興企業が次々に生まれます。その地域の株価は急上昇するだけでなく、発行株式数も増加し、時価総額は高騰することでしょう。VTはこの地域の銘柄をも、高値づかみしなくてはなりません。そしてバブル崩壊とともに、大量の含み損を抱える運命にあるのです。

あれ、おかしいな。そんな時のためにこそ、VTは地域分散し、自動的にリバランスが成されているのでは、なかったのでしょうか?ええ、そうなんです。この自動リバランスという錯覚こそがワナなんです。

リバランスが有効なのは、分散の比率が固定されている場合です。リバランスによって増えすぎた地域やセクターは自動的に売却され、減っている地域やセクターは自動的に買い増しされます。ですが、VTは「時価総額」で荷重をかけて平均しています。つまり、分散比は固定ではありません。時価総額の増えた地域は自動的に比率が増えていくのです。そのため、本来のリバランスの効果は低減します。割高地域を買い増して、割安地域を売却してしまうという、デメリットを抱えてしまうのです。残念!

もっとも、だからといってVTの保有者は損をする、と言っているのではありません。忙しいサラリーマンが半自動で資産を形成しようというとき、VTのような1本で世界分散できるETFは有効です。実際、長期的にはしっかりと、価値が上昇しているのですから。それでも、リスクを味方につければ、もっと良い方法はあるということです。

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ロバート・キヨサキ氏による有名な著書「金持ち父さん貧乏父さん」によれば、中流層の多くは仕事やローン返済に忙しく、お金について学ぶ時間がありません。それで、おすすめの投資信託を買って少しでも資産を守ろうとします。広くリスク分散された投資信託は中流層にとって魅力です。ですが、十分な資産(お金を生み出す資産)を持っていたら、もっとリスクを取って、キャッシュフローを成長させることもできるのです。まさに、お金はお金のあるところに集まってくる、という好例でしょう。

パパもまだまだ、勉強、勉強の日々であります。

ではまた、ごきげんよう。

      2016/07/26

 - 投資信託